脳神経外科医が伝える糖質制限の「穴」②

ブックレポート

前回に引き続き、糖質制限の失敗の原因について説明していきます。

①を読んでいない方はぜひ①から学んでいきましょう。

100人中98人が不足しているもの

この数字は石原先生の感覚ではありますが、

ほとんどの人が不足しているもの。

それは

「タンパク質」です。

タンパク質は私たちの体を作る材料です。

タンパク質=筋肉のイメージがあるかもしれませんが、

もっと細かく言えば細胞の材料です。

ホルモン、神経伝達物質、赤血球などありとあらゆるものがタンパク質でできています。

不足すると、イライラ・集中力の低下・貧血等が起こります。

ではどれだけ食べればいいのか。

厚生労働省などは「自分の体重×1~1.2g」を推奨しています。

体重が50㎏の人なら50g~60gですね。

手のひらサイズの肉や魚を1日3回食べるとこれぐらいになります。

しかし、著者は可能であるならばその1.5倍ぐらいは食べてほしいと話しています。

それぐらい、タンパク質は重要なのです。

食べ物からとるのが理想ですが、プロテインやだし汁でもOKです。

その際は人口添加物に気を付けましょう。

タンパク質が十分に取ることは、

ストレスに強い脳、皮膚や髪、骨、胃腸を丈夫にし、

免疫力を高めることにもつながっていきます!!

糖質制限をしていてもいなくても、

肉・魚・卵・チーズを積極的に食べていきましょう!

卵は実は肉・魚より質の良いいタンパク質です。

アレルギーがなければ積極的に食べるべきです。

1日3個ぐらいはOKですよ!!

質のいいタンパク質とは

「卵は質の良いタンパク質」と前述しました。

では、質の良さとは何なのか。

それは、そのタンパク質が何でできているががキーになります。

タンパク質はアミノ酸がつながってできています。

(タンパク質は食べた後アミノ酸に分解されます)

このアミノ酸、人間で作れるものと、作れないものがあります。

作れないものは9種類あります。

不要だから作れないではなく、必要になのに作れません。

だから私たちは作れないアミノ酸を食べなければならないのです。

自国で作れないものは輸入するスタイルですね。

このようなアミノ酸を「必須アミノ酸」と呼びます。

そして必須アミノ酸の種類を多く含むほど、質の良いタンパク質と定義しています。(プロテインスコア)

必須アミノ酸は植物性タンパク質よりも動物性たんぱく質に多く含まれています。

さらに、豚肉や鶏肉よりも多く含まれているのが卵です。

卵は全種類の必須アミノ酸が含まれています。100点満点です!!

すごい!すばらしい!!

卵は栄養的にも経済的にも私たちの味方ですね。

コレステロールの誤解

卵を3つも食べたらコレステロールが上がっちゃうんじゃないの??

これも牛乳と同様、事実とは違うことが常識として根付いています。

コレステロールは、

細胞膜・血管・ホルモンなどの材料、神経細胞の活動のサポートと

幅広い仕事をしています。

幅広い仕事をこなす為、肝臓でも作られています。

悪玉コレステロールともいわれるLDLコレステロールは、

コレステロールを肝臓から全身へ運ぶ運搬役、

善玉コレステロールともいわれるHDLコレステロールは、

余剰分のコレステロールを回収してます。

これはどちらも重要です。

体のために働いてくれているのに悪玉なんて失礼だなと思ってしまいます。笑

コレステロールが動脈硬化に繋がるという話がありますが、

最近ではこのリスクは関連なしという報告が多くあるそうです。

面白いのが、「卵を食べてコレステロール濃度が上がり、アテローム性動脈硬化を発症した」というデータは、

1913年にロシアの研究者がウサギを使って出した結果だそうです。

ウサギは普段何を食べるでしょうか。

ウサギは草食動物です。肉を食べません。

なので、人間と違い食べた物から得たコレステロールに対する調整機能をウサギは持っていないのです。

そりゃあ、調整できないんだもん。コレステロール溜まるよね。

という話に今は考えられています。

とはいえ、この100年以上前の結果が正だと思い込んでいる人も多いです。

専門家である栄養士はこの情報をアップデートして、人々と接したいところです。

肉!魚!卵!チーズ!!!

100人中98人は不足しているであろうタンパク質。

まずは、毎食手のひらサイズのタンパク質が取れるよう、

頑張ってみましょう。

料理をしない!という人は鯖缶やパウチのおかずがおすすめです。

小魚アーモンドもいいですね!

大豆製品もタンパク質はありますが、やはり動物性の方が効率よく吸収できます。

卵はいきなり1日6個と数を増やして毎日食べると、

アレルギー反応が出ることもあるので

少しずつ増やしたり、週1日は休卵日を作ったりしていきましょう!

1日3個を目安としてください。

さて、今回はタンパク質についてお話しました。

タンパク質は常に更新する私たちを作っています。

非常に大事な栄養素です。この仕事は他では代用できません。

糖質制限をしていてもしていなくても、

お肉、お魚、卵、チーズは積極的に食べていきましょう!!

▼参考著書

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